気功的抽象度で考察してみる
ほんじつはおめでとうございます。The Kerria Sasaと申します。
本稿では、IKTM流(私が修行してきたヒーリングメソッド:I had received the Knowledge and Trained healing Method.)のヒーリング技術を紹介しつつ、認知科学式気功の抽象度と臨場感のパラダイムで紐解いてみたいと思います。
気功技術で効果を出すには共通するエッセンスがあることがわかります。
IKTM流技術の紹介
IKTM流の技術には病気に特化したものがいくつもあります。そのうちの一つに痛みを止める技法があります。
その例として、この技法を駆使して、肩を動かした時の痛みを除去する場合を解説します。まずは認知科学のパラダイムは抜きで説明していきます。
IKTM流で痛みを除去する技法は大きく二つあります。
一つは患部の邪気を除去すること。
もう一つは、痛みの幹部に気を送り意識でその領域を絞り込んでいく方法です。カメラの絞りのように回転しながら閉めていく意識です。その際その痛みの領域を絞り切ってゼロにしていきます。痛みを消すというよりも、その部位を絞っていく感じになります。
これら二つの技術は単体でも使用できます。しかし実際の施術では組み合わせて効果(今回は痛みをとる)を引き出します。
具体的な方法としては以下になります。
まずは肩周辺の邪気を除去します。これだけで痛みが消失する場合もありますが、多くの場合次の工程に進みます。
クライアントさんに無理のない範囲で腕・肩を動かしてもらい、痛みが出る動作と部位を確認します。
次に先述したIKTM流の技法で、確認した部位に気を送り絞ります。この時腕・肩の動きも意識に入れています。
そしてまたクライアントさんに無理のない範囲で肩を動かしてもらいます。うまく行っていると、この時前回確かめた場所の痛みは消失し、腕・肩の可動域が広がります。しかしほとんどの場合違う動きや角度で痛みが出ます。またこの痛みの動作と部位を確認します。
同じように再び、確認した部位に気を送り絞ります。この時も腕・肩の動きの意識しています。
また肩を動かしてもらい、痛みが出る動きと場所を確認してきます。例えば腕の前方挙動が90度ぐらいで痛みが出ていた人は、この施術を繰り返していくと120度⇨180度⇨一周できるというふうに、痛みがない状態で可動域が広がっていくのです。
この痛みをとる手順は非常に汎用性と即効性が高く、昔は飲み屋でよくやったものです。(気功はアルコールを入れた状態でやらない方が良いのですが)
抽象度と臨場感で考えてみる
IKTM流の技法ではありますが、認知科学のパラダイムで考えてみます。
肩を動かした時に痛みが出るプロセスとしては以下となるかと思います。(私は医師ではありませんのでこれらの説明はあくまで仮説と捉えてくださいね。)
1.関連する部位に何らかの細胞のダメージが発生する。無理な使用や外傷によることが多いかもし得ません。また加齢による拘縮もあるかもしれません。 2.炎症が起こる。主にダメージがある部位周辺に炎症が起こります。 3.痛みが出る。炎症が起こることで痛みが発生します。またはダメージの状況によっては神経細胞を刺激することで発生します。 4.肩の動きに制限が起きる。痛みにより動作に制限がかかる状況です。腕が上がらないとかですね。
1.細胞ダメージ、2.炎症、3.痛み、4.動きの制限 ですね。
これを気功施術の観点から抽象度を比較してみます。以下のようになるでしょう。
抽象度大 4.動きの制限>3.痛み>2.炎症>1.細胞ダメージ 抽象度小
4.動きは痛みがある部位を含めて動かすのに必要な筋肉群と動かすための意思が包括されています。細かく分解はできますが、”動かす”は他のものより抽象的と言えます。
3.痛みもその原因は色々とありその原因を包括したものとなります。
次に臨場感の得やすさを考えてみます。以下のようになるでしょう。
臨場感大 3.痛み>2.炎症>4.動きの制限>1.細胞ダメージ 臨場感小
2.と3.は痛みの部位に意識をフォーカスできるので、臨場感を得やすいです。1.細胞ダメージは部位は同じですがダメージの知識がないと解像度が上がらないので、臨場感が薄れます。(医学的な知識があると逆に臨場感が上がるはず)
4.動きは、”動き”そのもの臨場感を得るのはじつは難しいと思います。腕が動く様をアニメーションの様に想像する方法は、その想像による限定された動きのみにフォーカスしていることになり、的外れになりかねないのです。”腕の前方挙動”といったはかなり抽象的な意識が必要なのです。
施術効果をあげるヒントかな?
以前の投稿において、認知科学式の気功において施術効果をあげるためには、抽象度をあげてそのエネルギー(ポテンシャル)を引き出す必要があることを紹介しました。そして同時に気功として内部表現を書き換えるためには臨場感も必要でもあることも記しました。(ちょっと表現が違うかもですが)
今回紹介したIKTM流の技法(肩を動かしながら痛みを追いかけて痛みを絞る)では、臨場感を得やすいものと抽象度が高い意識の技術を組み合わせることにより、効果を出していることがわかります。
思い返すとIKTM流でも痛みの部位などをより具体的にして解像度をあげ(臨場感をあげ)たほうが良い場合と、対象部位は明確にするが効果の出るプロセスをより抽象的(動きや機能のなど)に施術したほうが結果が良い場合があることがありました。
なぜ具体的で実感がある施術よりも、ふわっとした(抽象的な)施術の方が効くことがあるのだろう? と不思議に思っていました。経験的には、解像度を上げて細分化した部位の施術をしていても効果が出ない時は、より全体的で抽象的な技法を行うと良い結果が得やすいことも感じていました。
今日はこれまで
途中多少駆け足になってしまいましたが、ヒーリング(気功)技術と抽象度の関係の一端を紹介できたかと思います。
抽象度が高い視点での施術の方が効果がある場合があること書いているうちに、思い出したことがあります。IKTM流施術の際中に、患部の臨場感の生成と幹部への集中意識(変性意識状態)を行わずに施術をしたほうが良い結果がある場合があるのです。
この辺りもいずれ考察していければと思っています。